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藤井撚糸株式会社
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代表年度初めの挨拶「渋沢栄一と四日市」

2021.04.03

みなさん、おはようございます。

 

今日から、会社にとっての新しい一年のスタートとなりますので、少し所感を述べてみたいと思います。四日市商工会議所が毎月発行している「商工春秋」に大河ドラマの主人公の渋沢栄一と四日市との深い関係が書かれていたので、大変驚き、また、大変感動もしました。激動の明治時代に日本の産業の礎を築いたと言われる渋沢の経営哲学は、わが社の経営方針ともかかわりがあることが分かったので、今日は、このあたりの逸話を紹介しましょう。

 

渋沢は、かつて自らが設立した第一銀行(今のみずほ銀行)の頭取として、三重紡績(今の東洋紡)の設立にも重要な役割を果たしたそうです。その縁もあって、渋沢は大正7(1918)第一銀行四日市支店を訪ねた後、四日市商業学校(今の四日市商業高校)で講演をしました。その中で渋沢は、未来の商人たちを前にして「一方が利益を得て、相手が損をするような取引で得た利益は真正の富とは言えない」「諸君らは自ら自重し、自らを尊敬して、世間に恥じることの無い実業家としての正しい道を歩んでほしい」と話したそうです。これは、近江商人の商業哲学である『三方善』、わが社のモットーである『明るくて(自分よし)、味なことやる(相手よし

)、安心企業(世間よし)(AAA)』にも通じる考え方ですね。

 

実は、渋沢が何故わざわざ四商に来て講演までしたかというと、更にその14年前の1904(日露戦争の起こった年)の夏に、四商の学生7~8名が夏休みに地元の商材(万古焼、タオル、小間物)を売りながら東海道を上って東京で、当時日本の近代産業の礎を築いたとして名を馳せていた渋沢との面会を果たしたという事が、四商の創立110周年記念誌に書かれているそうです。そういう商人魂を持った進取の若者との出会いがあったからこそ、四商での講演が実現したのであろうと思います。

 

更に、この話には余談があって、東海道を行商して歩いて東京の渋沢にあった7~8名の学生の一人に、6代目岡田惣右衛門、私の高校同期で今のイオン・グループ会長の岡田元也さんのおじいさまが居たそうです。青年惣右衛門は、その後呉服商の老舗岡田屋を継承し、当時としては先駆的に株式会社組織に改組して、岡田屋の経営の近代化を図ったそうです。その長男の卓也氏が岡田屋を脱皮してジャスコを作り、更に元也氏の代になってイオン・グループとして日本一の売り上げを誇る大小売業を展開することになったのは、決して偶然とは言えない。時代を先取りする進取の精神が四日市の岡田家に受け継がれていたからではないかと推察します。

 

翻って、私たちは今期から3年を掛けて、DiiSH(ディッシュ)プロジェクトを完成させようとしています。繰り返しになりますが,DiiSH(ごちそう)の5つの目標は、

 

 D=DXDigital Transformation)・・・業務のデジタル化の推進

 i①=innovation                            ・・・新技術を導入する投資の促進

 i=in-bound                               ・・・加工業務の国内回帰

  S=SDGs(sustainabledevelopment goals)・・・(2015/9 国連採択の環境保護などの持続可能な開発目標)

  H=HumanResources                   ・・・人材の育成と処遇の改善

 

このDiiSHプロジェクトの完成によって、勿論自分たちの生活水準や、やりがい、楽しさが増すことになる訳ですが、同時にお客様にも喜んでいただき、業界界全体の発展にも貢献することになる。そして、地元の人や企業、また、皆さんのご家族にも感謝される、つまり、「論語と算盤』という書の中で渋沢栄一の描いた『道徳・経済合一』の理念にも通じることです。

 

私たちは、堂々と自信を持って渋沢が導いてくれた道を歩んでいきますので、みなさん、力を協わせて頑張りましょう。このプロジェクトの完成する2024年の春には、渋沢栄一が一万円札の顔として登場します。その一万円札の渋沢によい報告が出来ることを願って已みません。()