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藤井撚糸株式会社
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代表年頭あいさつ「希望の光」

2021.01.09

社員の皆さん、新年あけましておめでとうございます。

 

昨年は、コロナ、コロナで明け暮れた一年でした。今年もなお、今週中には首都圏で「緊急事態宣言」が発出される予定ということで、コロナ禍への対応を余儀なくされる一年となりそうな気配。引き続き、私たちの仕事や生活にも重大な影響を与えることになるでしょう。

 

昨年の四月一日の新しい年度の始まりには、「今年は、サバイバル。生き残りを第一に考えて仕事を進めよう。だけども、必ず復活する時期が来るから、サバイバルと同時に、来るべきその時に希望が持てるような種を植えて大事に育てよう」ということをいいました。その言葉通り、部門によって時期や程度は違いますが、仕事が急激に減ることがあっても、皆さんの積極的な協力が得られたおかげで「コロナ休業」を活用して、会社の負担も最小限に食い止めながら事業を継続出来るメドが立っています。昨年6月には同業の一社が自主廃業し、私たちの業界も風雲急を告げる様相です。そんな中で、うちはよく頑張っているなと思います。皆さんにもいろいろな負担があったと思いますが、協力を頂いて本当にありがとうございました。銀行からも多額の借金をして、会社としても万一の事態にも備えましたが、大きな混乱もなくお陰で安心して通常業務に専念することが出来たし、また、お約束した通り、一人の解雇者も出さずに済みました。

 

その一方で、私たちは大事にしてきた「希望の種」を育てて前に進む年にしたいと考えていますので、少し具体的に、会社として何を目標とし、皆さんに何を求めるのかをお話ししましょう。

 

第一に、本社における新事業への進出であります。すでに、第二工場内のガラス撚糸機の一部の撤去と移設工事が始まっています。仕事を取り込むスピードにもよりますが、ここでは昼夜2交代で24時間操業し、週末休業することになりますので、皆さんの一部の方にも協力を頂かないと仕事が成り立ちません。こうして、社内で取り組む仕事を増やすことによって、これまでの9か月間のようには休業をしなくて済むことになります。ただ、一部の方には今の担当の仕事を替わってもらわないといけなくなりますし、ほとんどの人にとって仕事の流れが何がしか変わることになるでしょう。残念ながら現状維持は許されないのです。会社としてこの本社工場を維持してゆくためには、どうしてもこの新事業を成功させなければならないのです。

 

第二に、楠第二工場への新規のPP紡糸設備「S-8機」の設置です。現在、鋭意機械の組み立て作業中で、順調にいけば2月中旬には糸が引ける状態になります。また、今月20日にはバングラデシュから技能実習生4名が着任することになっています。出来る限り早期に商品を生産できるように試作を進め、安定した稼働のやり方を皆で実践していかなければなりません。来年度からは、PP紡糸事業においても業界トップとなる計画です。品質管理面、業務管理面でもその地位にふさわしい管理レベルの向上が求められることになります。IT技術の駆使(デジタル・トランスフォーメイション)によってこの面での成果を上げていただくことも期待しています。このため、各種検査機器なども設置の予定です。

 

第三に、楠第一工場での業務です。①昨年後半から始まっている、白糸の切り替えへの対応が本格化します。②新見本帳などへの本格採用により、リサイクル糸の加工が劇的に増加します。③ベルモント8錘機を新鋭機に年内に切り替えます。④75kw大型コンプレッサーを新台に更新し、エア吐出力を強化すると同時に環境に配慮してエネルギー効率をアップします。⑤在庫管理能力を強化するため、また、生産管理面からもIT技術の駆使(DX)を出来るところからやっていきます。このために、皆さんのデジタル教育・訓練にも力を入れていきます。

 

各工場でのこのような取り組みを会社全体として、「Di²SH―Project(ディッシュ・プラン=ご馳走プロジェクト)」と呼ぶことにしました。

=デジタル・トランスフォーメーション(社内へのIT技術の駆使・浸透)

i①=イノベーション(新技術の取り込み・新マーケットの創出など)

i②=インバウンド(観光客ではなく、加工事業を中韓など外国から国内に取り込む)

=SDGs(持続可能な発展目標という地球環境維持の活動に会社として取り組む:再生原料の使用、省エネ投資など)

=ヒューマン・リソース(人的資源:人材の再教育・デジタル訓練の実施、人材の多様性の尊重及び待遇の改善)

 

これは、わが社ならではの野心的な取り組みを表現するのにふさわしい言葉ではないかと思っています。これによって、「K字回復」といわれる今年の景気の二極分解の上昇気流を掴まえられるのだろうと思います。しかし、要は「凡百の議論よりも一の実践」。一つ一つやれるところから着実に実現してゆくことが肝要と考えます。今年は各工場で大きな取り組みを実施してゆく取っ掛かりの大切な一年となります。皆さんには、そのつもりで食らいついてきてほしいと望んでいます。その先に、大きな「希望の光」を見出して行きたいものだと心からの期待を表明して私の年頭の挨拶に代えたいと思います。

以上

 

藤井由幸

藤井撚糸株式会社 代表取締役会長兼CEO